February 21, 2017  | Category: 参考文献
「China Study」という有名な研究があります。

これは、米国コーネル大学の栄養学教授であるキャンベル博士が、中国における生活習慣病の実態を調べた研究です。

アマゾンの書籍「内容」に以下のように説明されています。
真実の栄養学でガンは治せる!全米の医学界・栄養学界・製薬業界の心胆を寒からしめた、衝撃の大ベストセラー!ガンに苦しむすべての人、そしてあらゆる生活習慣病から解放されたいすべての人に贈る、希望の一冊!「自然の食」こそ、最高の名医!「疫学研究のグランプリ」とニューヨーク・タイムズが絶賛した史上最大規模の「チャイナ・プロジェクト」(中国農村部の食習慣・栄養調査研究)は、すべての生活習慣病の元凶をはっきりと暴き出していた。

現在MITメディアラボ所長のJo Ito氏が「The China Study」という有名な報告書を読んでコメントしています。(2007年)
以下に一部転記します。
この本は菜食主義にとって肯定的で強い意見が書いてあるのと、動物性たんぱくの健康に与えるリスクについて説明されている本。この本はFuhrman博士のEat To Liveの本よりももっと科学的に分析している。(中略)僕はこの本を読んで、肉製品とか乳製品を少なく取らなければいけないという事とか、栄養に関する情報とかが、消費者とか医者にきちんと伝わっていないという事がわかったよ。
僕は医療にたずさわっている友達に栄養の事とかの情報がちゃんと伝わっているのかを聞いてみたくなった。
追記:この本のタイトルはこの本の著者が中国と台湾の田舎で病気とライフスタイルの研究をしたことがらつけられた名前です。(出典:http://joi.ito.com/jp/archives/2007/03/06/004489.html)」

 アマゾンで日本語翻訳版が購入できます。 



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December 31, 2016  | Category: 参考文献
 厚生労働省がん研究助成金「がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究」班が編集した「がんの補完代替医療ガイドブック第2版」

https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pamphlet/cam_guide_0714.pdf

この資料のP.20で「世界がん研究基金が2007年に報告書を発表しています」として、「10項目のがん予防指針(概略)」表を掲載しています。
以下にその表を転載します。
1.標準体重を維持し、ウエストサイズが増えないようにする
2.毎日30分以上の運動をする(早歩きのような中等度の運動など)
座りぐせ(テレビを観るなど)を減らす
3.高カロリーの食品を控えめにし、糖分を加えた飲料を避ける(ファストフードなども含む
4.野菜、果物を1日5品以上食べる(1日400g以上)
全粒穀類、豆類を毎日の食事に取り入れる
精製されたでんぷん食品は控える
5.肉類を控えめにする(鶏肉は除く、牛・豚・羊など。週500g未満) 
加工肉(ハム・ベーコン・ソーセージ等)を避ける
6.アルコール飲料を飲むなら、男性は1日2杯、女性は1杯までにする
(1杯はアルコール10g~15gに相当)
7.塩分の多い食品を控えめにする(1日6g以下)
かびの生えた穀類・豆類は食べない
8.がん予防の目的でサプリメントの使用は推奨できない
9.生後6ヵ月までは母乳で育てるようにする(母親の乳がん予防と小児の肥満予防)
10.がんを患った人は、上記1~9の推奨に従う
または専門家から適切な栄養指導を受ける

上記の通り、全粒穀物と豆類が推奨されていますね。
第2版は2007年作成ですが、以下の第3版(2012年作成)にも同様の記載があります。

この冊子は、厚生労働省の「統合医療」情報発信サイトに掲載されています。
(こんなサイトがあったのだ、、)
http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html


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March 30, 2014  | Category: 参考文献
「FOOD.INC」という、食べ物に関するかなりショッキングな映画をYouTubeで観て、その後、関連する文献をいろいろと観ていましたところ、食システムについて徹底的に論じる「食の終焉」というすごい書籍を発見しました。食と、食の過去・現在・未来を知りたい、考えたい方には、超(という表現はあまりにも軽いですが、本当に)お勧めの書籍です。

■まずは、Food.Inc.(Wikipediaより)
2008年アメリカ映画で、アメリカの食品産業に潜む問題点に切り込んだフード・ドキュメンタリーである。広大な農場に散布される農薬、遺伝子組み換え問題など、大量生産低コストの裏側にあるリスクを伝え、オーガニック・フードの本当の価値を訴えている。」
YouTubeの映像:http://www.youtube.com/watch?v=2Oq24hITFTY

☆「食の終焉」~グローバル経済がもたらした、もうひとつの危機~
これは、昨年出版された書籍で、「THE END OF FOOD」という、やはりかなりショッキングな英語タイトルの翻訳書です。
非常に綿密な調査に基づいた、包括的な考察が行われていると思います。

 この書籍の概要は、訳者解説「食を見ればグローバライゼーションの本質が見える」に、非常にわかりやすく集約解説されています。
以下は訳者解説冒頭のパラグラフです。
「破綻に向かって邁進するグローバリゼーションの本質を、食の視点から鋭く突いた一冊である。本書を読み進めるうちに、2001年のノーベル経済学賞を受賞した経済学者ジョセフ・スティグリッツの「誰も幸せにしないグローバリゼーション」という言葉が何度も脳裏をよぎった。」


以下は、章立てですが、各章は、世界中で発生している、テーマに関連する状況や事件の紹介から始まる。映画を見るようです。
(状況と事件については、一部のみ紹介)

第I部 食システムの起源と発達

第1章 豊かさの飽くなき追求
「1940年代の終わり、ハドソン川上流にあるニューヨーク州オレンジタウンの釣り人たちは奇妙なことに気付いた。釣り上げた鱒のサイズが、年々大きくなっているのだ。(中略)その上流に薬品会社レタリー・ラボラトリーズの研究所があったために、この現象が本当に自然なものかどうかには、一抹の不安を感じる者もいた。」

第2章 すべては利便性のために
「スイスのローザンヌ市民が仕事に向かういつもの朝、町の郊外にあるネスレの研究センターに周辺淳民が集まってきた。そのほとんどは新し物好きで、子供が学校から帰宅するまで暇な主婦だ。(中略)頭上にあるカラー照明を点灯すると、試食者の職位体験に影響を与える食品の色をぼやかすこともできるようになっている。」

第3章 より良く、より多く、より安く
「フランス北西部のとある精肉工場で、解体処理中の豚肉に囲まれた灰色のゴム床の上、M氏が私に脱工業化時代の豚の解剖学を即興で講義してくれている。(中略)骨を取り除き、死亡をきれいに削ぎ落とし、塩水に24時間漬けられた肉片は、工場の組立ラインで扱われる一部品のように、今は従業員がそこから肉を一切れ取って、外見を確認した上で、一辺が一メートルほとの四角いステンレスの鋳型の中に丁寧に詰めていく。そして、これが完成すると、豚の脚の筋肉層とそっくりの肉の塊が出来上がる。」

第4章 暴走する食システムと体重計の目盛り
「2006年3月22日朝、フロリダ州タラハシの州議会議事堂では、食品管理行政に影響力を持つボブ・バリオス下院保健委員会事務局長の下に、不安を抱える食品業界の重鎮たちから次々と電話が入り始めた。その前日、下院の小委員会は、学校でブドウ糖果糖液糖を含む食品の販売を禁止する法案を採決にかけることになっていた。しかし、この法案が本当に可決されると思っている者はほとんどいなかった。
議会では、この法案を提出した39歳の下院議員フアン・ザパタが(中略)かなり説得力のある演説を行った。その演説の中でザパタは、1970年代の終わり頃から食品会社が加工食品にブドウ糖果糖液糖を添加し始めたこと、その時期がちょうとアメリカの肥満率が急増した時期と一致すること。(中略)また、ブドウ糖果糖液糖が満腹中枢を狂わせるという調査結果も紹介した。
そして、何と小委員会はこの法案を全会一致で可決してしまったのだ。」

第II部 食システムの抱える問題

第5章 誰が中国を養うのか
第6章 飽食と飢餓の狭間で
第7章 病原菌という時限爆弾
第8章 肉、その罪深きもの

第III部 食システムの未来

第9章 遺伝子組み換えかオーガニックか
第10章 新しい食システムを求めて
「2006年9月13日の朝、スコットランド、キルメルフォード村にあるケイムズ水産養殖場内で、オヒョウの巨大養殖池が昨夜、何者かに荒らされているを出勤した従業員が発見した。(中略)巨大水槽がこじ開けられ、イギリスの大手食品会社に卸す予定だった一匹40ポンド(約18キロ)もあるオヒョウ1万5千尾がすべて姿を消していた。(中略)誰の目にも犯人は明らかだった。壁にスプレーで動物解放戦線(Animal Liberation Front)の頭字語である「ALF」の文字が吹き付けられていたからだ。」
エピローグ

ここからは、私のコメントですが、第4章にある「ブドウ糖果糖液糖は、日本の加工食品にも、ありとあらゆる製品に入っています。本当にありとあらゆる製品です。大変安価なようです。

第10章の「ALF」については、全く知りませんでしたが、本書にはALFのイギリス人活動家の説明も紹介されています。彼は「私たちはできれば法の力で動物虐待を止めたいと思っていますが、それは叶いません。投資家や企業の大株主がこの国の政府を牛耳っているからです。彼らに手紙を書いて『こんなことはやめて下さい』と訴えても、何も変わりません」と言っている。
これを聞いて思い出したのが、国境なき医師団のフランス本部と日本支部の考え方の違いです。以前私は理事会の議事録作成ボランティアをしていましが、大阪のホームレス支援を継続するかしないかについて、フランス本部からの訪問者と日本支部理事との間で意見が全く異なりました。フランス本部からの訪問者は「国境なき医師団は政府・行政と戦うムーブメントである。よって、大阪行政が社会的排除に対する根本的対策を講じず、本ムーブメントを理解しない場合は、それに戦う姿勢をとるべきである」と主張。一方日本の理事や関係者は、「いや、今までわずかではあるが、行政とも協調する取組みが出来てきている。戦う姿勢を打ち出して、社会的排除の被害者であるホームレスの人々の支援も停止するのでは、今までの努力も無駄になる。ホームレスの人々も医療を受けられなくなることも避けるべきである」と主張。どこまでも平行線でした。
その後は、このボランティアから離れたため、結果がどうなったかは分かりませんが、ここで感じたのは、欧米の人々の戦う姿勢の強さでした。日本は出来るだけ物事を荒立てないようにするのと対照的です。
文化や歴史が異なると、考え方ややり方も大きく異なることを実感します。

さて、本書の醍醐味は(訳者解説より)、「各章で焦点を当てている食の各段階で、必ずと言っていいほど悪者と思しき存在が登場することだ。それは巨大な食糧商社であったり世界市場を支配する食品メーカーであったりメガ・スーパーマーケットでだったりお馴染みのファストフード・チェーンだったりする。(中略)ところが、食の話はそう簡単ではないし、映画のようなわかりやすい勧善懲悪物語では終わらない。更に取材を進めるうちに、実はその悪者は単なる小悪にすぎず、彼らも実は現在のシステムの下ではそのように行動することを強いられているだけの、見方次第ではその悪者でさえ、自らがおかれた状況の中でもがき苦しむ哀れな存在であることが、次第に露わになってくる。そして、常にその悪者の上にはもう一段格上の悪者がいて、最初の無敵の巨悪に見えた悪者が、実はもう一段上の悪者によって操られているだけの、とても小さな存在であることが明らかになる。そして、困ったことに、そこから5段くらい上の段の、食システム全体の大奥に鎮座し、すべての問題の根本を作っている究極の悪者の顔を見たときに、ほとんどの読者は言葉を失うはすだ。その究極の極悪人は、なんと「xxx」なのだから。」
(「xxx」は本書を読んで解釈して頂きたい。ここを開示すると訳者にたぶん怒られてしまうような気がしますが。。いえ、ここまで書けば、お分かりになる方はお分かりになると思いますが。。)








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October 11, 2013  | Category: 参考文献
自然派的文献のカテゴリの最初の記事には、やはりCI協会の月刊マクロビオティックに登場頂くのがふさわしいと思います。

http://www.ci-kyokai.jp/bgks.html

☆これは、2013年8月号です。


マクロビオティックが「Macrobiotic」と英語ではなく、「Macrobiotique」とフランス語になっているところに意味があると思います。

というのは、マクロビオティック創始者のジョージオーサワ(桜沢如一)が、まずパリでマクロビオティックを広めたからだと思うんです。

その時にパリでジョージ・オーサワに協力したのが、マダム・リビエールという女性。

そして、パリには「Centre Macrobiotique」(マクロビオティックセンター)が出来ました。(今はないですが。)

実は私はここのキッチンで少し働いてました。そして、その時マダム・リビエールがいらしたので、よくお会いしました。(すごい歴史的なお話。。)

さて、それよりも重要なお話。

このCI月刊誌はずーーーーっと以前は「新しい世界」というタイトルでした。
私はこのタイトルがとっても好きで、心の底から「新し世界が始まるんだ!!」と思ってすっごく楽しみにしてました。

そして、その後、新し世界が始まったかどうか、というと、、、、、、

、、、、、、

、、、、、、

、、、、、、


微妙です。。。

しかしながら、現在「月刊マクロビオティック」という名称になった今でも、一度は読む、そして、ときどき読むことをお勧めしたい文献です。

感慨深いのは、最近の号にはマクロビオティック第2世代のお話が掲載されたりしていることです。
You've come a long way, baby ! (長い道のりだったね、君)っていう感じです。

今後も細くでもいいので、長く長くいつまでも継続して欲しい月刊誌です。




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